ブラジルの森林火災について

先日BBCニュースでトップになったブラジルの森林火災をご存知でしょうか?

BBCのブラジルのアマゾンにおける大規模森林火災のニュース

通常、熱帯林における森林火災は良く起こっていて、

熱帯地方は主に雨期と乾季に分かれますが、

乾季になると自然発生的にも森林火災が起こります。

世界の森林面積は約40億ヘクタールあり、全陸地面積の30.6% を占めています。

しかし、世界の森林は減少を続けており、毎年330万ヘクタールが減少しています。

森林は、炭素の吸収の維持・増加や排出の抑制し、

気候変動の緩和へ貢献するだけでなく、

生物多様性の保全にも重要な役割を果たしています。

生物多様性の宝庫である熱帯林では、

毎年、北海道の面積の77%にあたる600万ヘクタールの速さで減少し、

熱帯林にすむ動植物は毎日100種が消失していると言われています。

これは単純に森林の伐採によるものです。

火災はまた別の消失原因で、自然発火、放火、等いくつかの要因で起こります。

今回、人工衛星で森林火災がかつてない程の8万件近い森林火災が確認されており、少なくとも2013年以降で最多となっているそうです。

なぜ、森林火災が激増したのか?というと、それが森林の伐採の拡大のためだと言われています。

森林は二酸化炭素を貯留して、酸素を生産します。ブラジルの熱帯雨林は世界最大と言われ、世界の酸素の約20%を生成しているとも言われています。

一方で、森林を切り開き農地に転換することにより、食糧生産の増大につながります。

人間が生きていく上で、食料生産は重要ではありますが、あまりに無差別な森林伐採と農地転換は、森林の二酸化炭素の吸収を減らし気候変動につながっていきます。

現ブラジル大統領のジャイール・ボルソナロ大統領は、アマゾンは産業発展に利用するべきだとの考えが強く、大統領についてからは開発業者が一斉にアマゾンにやってくるようになった。

開発業者が伐採した木などを燃やす作業があり、これが十分管理されなかったため火災が多発しているとみられているのです。

今回の火災では、ブラジルの宇宙庁(INPE)が衛星データを使って、独自にアマゾンの森林のモニタリングを日々続けていた結果わかってきたことです。

実は、私もINPEとは数年前に仕事を一緒にしておりました。INPEにも訪れたこともあり、その際にアマゾンの森林管理システムを実施している施設にもお邪魔しました。

米国や欧州の無償の衛星データを受信し、日単位でアマゾンの森林の変化を確認しているのです。そのシステムは宇宙の目からであるカメラを通じて得られたデータであるので、地上側で改ざんしない限りは第三者としてのデータであり客観的です。

このデータからINPEがブラジル国内に対して森林火災が急増していることに警鐘を鳴らしても、大統領はそれに耳を貸さずに、NGOの腹いせとまで言っているのです。

是非ともINPEには頑張ってもらいたいと思います。また、こうしたテーマこそ国際的に連携をして解決すべき普遍的なテーマであると信じます。

例えば、日本の技術でこうした課題を解決できないのか?

日本が持つより性能の良い人工衛星のデータを使って、アマゾンを監視しその結果をブラジル政府に伝えるべく日本政府は手立てを講じられないのか?

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