国際会議での議長

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今回ジュネーブでの出張では、各国から代表が集まって議論する国際会議に参加しています。

私の場合、その会議においてはある程度経験も長いため、既に参加しているだけではなく、会議の共同議長も務めています。

共同議長では、アメリカと欧州の国際機関の代表と共に日本の議長として3人で回しています。

会議へのメンバーとしての参加だけであれば、議事に従って日本で対処方針を考えて参加し、日本の立場を主張すればいいのですが、議長となると会議の企画・運営を任せられるので、会議の最初から最後まで気が抜けず中々大変です。

しかも、全部英語での事です。

そして、議長として会議のスムーズな進行ととりまとめを行うためには、国際会議の内容の熟知、議論の把握とまとめ、議論が紛糾した際の解決、参加者の立場の把握、たまの場のなごみの提供(ジョークなど)を行う必要があります。

会議に参加しているのと、議長として会議の船頭をしているのでは、立場が違いますが、その会議において最も権威を発揮することが出来て、会議に影響力を及ぼす事ができるのが議長職です。

議長であれば、その会合とコミュニティにおいてそこそこの知名度を獲得し、今後のさらなる要所の機会の獲得につながります。

日本国内でもそうでしょうが、国際会議で議長を獲得するのは、日本にとってはその分野においてかなりの権威を得ることにつながるわけです。

私も今いる国際枠組みのコミュニティは縁あって、長年の成果により議長としての信頼を獲得する事ができました。

その信頼と成果は一朝一夕では無理であり、分野や能力にもよりますが、通常であればおよそ5年から10年程度は必要になると思います。

国際会議となると、そもそも中々日本人にとっては敷居が高い場合が大きいのではないでしょうか?

しかし、内容において日本が貢献したり影響力を及ぼし、あなた自身あるいは日本の代表としてそこで立場を獲得する必要があるのであれば、臆することなくまずは継続的に参加し、各国の代表と少しづつ話し合った、お互いを理解することから入っていきましょう。

私は、むしろ日本の方がモノコミュニティとしての敷居が高いと思います。それは基本的に年功序列の社会であり、上を絶対的に敬う必要があるという考え方です。

しかし、国際会議では多種多様の文化・人種・ダイバーシティが存在するので、お互いに最低限の礼儀とルールを守ればあとは平等です。

また、もう一つ日本のモノコミュニティが引き起こししてる国際社会に打って出ずらい状況を引き起こしている弊害は、会社の数年での人事異動制度です。これは特に官庁で顕著ですが、2,3年で部署が変わってしまいます。

そうなると、日本としての不動の信頼はあっても、どうしても国際社会でのさらに一歩主導の立場を取るための信頼は獲得しずらいのです。

実は、それらの問題が日本人の中で言語の問題以外に国際会議に主導的な立場を獲得しずらい意識が働くのではないか?と考えます。

私が今回議長をしている会議では、私よりも立場が上の人がごろごろ参加者として参加しているのですが、今では私は臆することなく、堂々と会議を仕切ることが出来る様になっています。

そこに達するまでは、やはり時間と経験が必要にはなると思いますが、是非とも多くの日本人にこうしたマルチの国際調整の場において主導的な立場を獲得してもらいたいと思っています。

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