凄い量の黄砂が舞い上がる!

本日、世界気象機関(WMO)からのニュースですが、この10年で過去最悪レベルの黄砂がモンゴルと中国北部などで舞い上がっているとのニュースが出ています。

北京や大都市ではダストが空を覆い、視程が500m以下とのことです。モンゴルでは犠牲者も出ているとのこと。

これはモンゴルにあった猛烈な980hpaのサイクロンがゴビ砂漠の砂を巻き上げたのが原因のようです。巻き上げられた黄砂は強い北風に乗ってモンゴルに渡り、その後中国北部にストームとなって伝搬していきました。このストームはここ10年で最強のものだったようです。

この巻き上げられた砂はモンゴルと中国ではPM10というもので、10マイクロメートル以下の粒子という意味です。我々が良く聞くPM2.5は2.5マイクロメートル以下の粒子ですから、それよりも荒い砂の粒になります。巻き上げられたばかりの砂はまだ荒い状態なのですね。日本に上空で運ばれるに従って、細かくなってPM2.5になるのです。

PM10のままの粒子は中国とモンゴルを覆っているのですが、粗い粒子のままだとその被害は細かい粒子よりも大きくなります。

このようなダスト粒子は少ない量でも健康に被害を及ぼします。世界保健機関(WHO)によると、健康に影響を及ぼさない最低限のダスト粒子の量は、24時間平均で立方あたり50マイクログラム以下とのことです。

ところが今回の黄砂は北京やモンゴルなどの都市で、なんと立方あたり5000マイクログラム以上で、ピーク時には9000マイクログラムを超えていたとのことです。

このようなWHOの健康の許容値を超えるような濃度の黄砂が大都市を覆うと、そこに住む人の健康にも害を及ぼすでしょう。

この黄砂を巻き上げた強いサイクロンが問題であり、このサイクロンの強さの原因は気候変動によるものだと考えられる訳です。気候変動による影響が人々の健康に直接影響を及ぼす事例になります。

そして、この黄砂は明日には薄まるにしても日本にも一部届くのは偏西風により明白です。ニュースによると部分的であり、中国やモンゴルのような甚大な被害にはならないようですが。

ここ数年にかけて黄砂の日本への飛来も大きな問題になっているような気がします。年毎にどの程度黄砂が増えているのか調べてみるのも良いかもしれません。

黄砂に限らず、昨年は森林火災も各地で大規模なものが数多く発生しました。林野火災においても火災により大量の煙霧や有毒物質が発生し、それが大気の流れに乗って世界中に拡散していきます。

こうした気候変動による影響も複雑であり、気候変動のメカニズムを知ることが大切であり難しい問題です。

気候変動の解明は科学者でも大変ですが、それを市民に正しい情報として伝えるリテラシー向上も大変重要です。気候変動はもはや科学者に留まらず、市民レベルで対処していく必要があるからです。

気候変動はその影響を「軽減」する方策と、「適応」する方策に分類されます。軽減は温室効果ガスを削減するのがメジャーであり、パリ協定によって既に多くの国が削減目標を提示しています。

難しいのは適応で、気候変動によって気温上昇はこれからも続くと考えられるので、我々は自分の生活をどうしようもない予測に逆らわずに「適応」していく必要もあるのです。

これは適応に対しては、国が適応計画を作ります。その適応計画に従って、地域の事情を考慮した自治体レベルでも適応の対策を行う必要があります。既にいくつかの自治体では適応の対策を始めているところもあるようです。

日本の気候変動適応計画

例えば、北海道と沖縄では適応策はかなり異なると思います。北海道のじゃがいも農家は気候変動によってどうすればいいのか?という問題と、沖縄のサトウキビ農家の対策は違うからです。

是非、あなたの住んでいる市町村に気候変動の適応の対策についてインターネットなどで調べてみて下さい。そこから、あなた個人が何か出来るか考えてみるのもThink Global & Act Global(Localも!)の構想に合っていると思います。

黄砂のWMO記事原文リンク

 

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