スイスワイン

今回は週末を挟んでの出張なので、土日は一応休日であり、日本人のように出張中の休日を罪悪感を感じることなく土日の半分は謳歌しようと思っています。

今回、狙いをつけていたのが世界遺産ラヴォー(Lavaux)地区におけるワインの調達でした。

スイスワインは生産量が少ないため、基本地産地消のワインであるのですが、その質は狙いを定めていけば非常に高く、しかも現地では割安に調達できるのです。

フランスやイタリアワインの様に、生産量が多く、有名なワインとは正反対のものですが、目を付けている人は目を付けています。

ラヴォーのワインは、シャスラ(Chasselas)という品種のブドウが有名であり、レマン湖のほとりに傾斜のある岸にへばりつくように並ぶワイン畑は、天候、日照、気温が毎年、安定しています。

世界遺産とだけあって、ブドウ畑とレマン湖の美しい風景は、まさに絶景です。そして、今は9月上旬、ちょうどブドウの実がたわわに実って、そろそろヴァンダンジュ(収穫)の時期です。

ラヴォーのワインは歴史的価値が非常に高く、それ故に土地の管理にもワイン造りにも、さまざまな制約があって、農法、製法が厳守されていることから、極めて純粋で希少なワインが作られているのです。

今回私が訪れたのは、Epessesという町にあるパトリック・フォンジャラ氏の経営するワイナリーです。ここにはシャスラの中でも非常に希少である、わずか15ヘクタールの畑しかないカラマン(Calamin)という地区の白ワインがあるところです。

実は、週末は土曜の午前中しか空いてなかったらしく、しかもアポなしで突撃で行ってみたところ、スイスジャーマンの団体さんがいました。

無理かなあ?と思いつつも、恐る恐る聞いたところ、やはり「今日はフルブックだからごめんね」ということ。

しかし、ここまで来て何にもしないのも嫌なので、「2,3本買っていきたいから何とかお願い!」と言ったら、「10分待っててね」とあまり嫌な顔をせずに対応してくれました!

その後、20-30分待っていたら、ニコニコしながら「デギュスタシオン(試飲)してみる?」とのこと!やったー!

早速、カラマンのみたい!とわがままの連発・・・ハーフボトルを開けてくれて、ちょっとまだ忙しいからこれと、あと外にある試飲ボトル飲んでてね、と言ってくれました。

スイスジャーマンの集団は、50人くらいで外で試飲をしており、何人かのスタッフがボトル追加対応などを行っていました。ドイツ語とフランス語が入り混じる同じスイスなのに不思議な感覚です。

こんな忙しい時に悪いな~、と思いながらも、外の木陰で早速、カラマンを頂きました!うまい!

なんというか、ミネラルと自然の口当たりが最高!なんにもとげがありません。いくらでも飲めちゃう!

日本食と合うと聞いていますので、すぐに2本買っていく事を即決!

他のボトルも試してみましたが、やはりカラマンが秀でていました。

その後、スイスジャーマンの団体が帰ったようで、みんなちょっと暇になったらしく、オーナーのパトリック氏が寄ってきてくれて、お話しもさせていただくことができました!

日本とスイスは非常に似ている!「根回し」はスイスもおんなじだよ!なんだそうです。

お返しに、日本には説明しづらいけれど「生きがい」という言葉もあるよ、と教えてあげました。iPhoneにメモっていました。

フォンジャラ氏のワイナリーには、三笠宮夫妻も訪れたことがあるそうで、写真が飾ってありました。

すっかり堪能して、結局他のボトルも併せて4本買って、帰りは畑と湖をみながら1-2キロ歩いて最寄りの駅から電車にのってジュネーブまで戻りました。

ラヴォーは非常に奥が深そうです!また、是非来たい!

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国際会議での議長

今回ジュネーブでの出張では、各国から代表が集まって議論する国際会議に参加しています。

私の場合、その会議においてはある程度経験も長いため、既に参加しているだけではなく、会議の共同議長も務めています。

共同議長では、アメリカと欧州の国際機関の代表と共に日本の議長として3人で回しています。

会議へのメンバーとしての参加だけであれば、議事に従って日本で対処方針を考えて参加し、日本の立場を主張すればいいのですが、議長となると会議の企画・運営を任せられるので、会議の最初から最後まで気が抜けず中々大変です。

しかも、全部英語での事です。

そして、議長として会議のスムーズな進行ととりまとめを行うためには、国際会議の内容の熟知、議論の把握とまとめ、議論が紛糾した際の解決、参加者の立場の把握、たまの場のなごみの提供(ジョークなど)を行う必要があります。

会議に参加しているのと、議長として会議の船頭をしているのでは、立場が違いますが、その会議において最も権威を発揮することが出来て、会議に影響力を及ぼす事ができるのが議長職です。

議長であれば、その会合とコミュニティにおいてそこそこの知名度を獲得し、今後のさらなる要所の機会の獲得につながります。

日本国内でもそうでしょうが、国際会議で議長を獲得するのは、日本にとってはその分野においてかなりの権威を得ることにつながるわけです。

私も今いる国際枠組みのコミュニティは縁あって、長年の成果により議長としての信頼を獲得する事ができました。

その信頼と成果は一朝一夕では無理であり、分野や能力にもよりますが、通常であればおよそ5年から10年程度は必要になると思います。

国際会議となると、そもそも中々日本人にとっては敷居が高い場合が大きいのではないでしょうか?

しかし、内容において日本が貢献したり影響力を及ぼし、あなた自身あるいは日本の代表としてそこで立場を獲得する必要があるのであれば、臆することなくまずは継続的に参加し、各国の代表と少しづつ話し合った、お互いを理解することから入っていきましょう。

私は、むしろ日本の方がモノコミュニティとしての敷居が高いと思います。それは基本的に年功序列の社会であり、上を絶対的に敬う必要があるという考え方です。

しかし、国際会議では多種多様の文化・人種・ダイバーシティが存在するので、お互いに最低限の礼儀とルールを守ればあとは平等です。

また、もう一つ日本のモノコミュニティが引き起こししてる国際社会に打って出ずらい状況を引き起こしている弊害は、会社の数年での人事異動制度です。これは特に官庁で顕著ですが、2,3年で部署が変わってしまいます。

そうなると、日本としての不動の信頼はあっても、どうしても国際社会でのさらに一歩主導の立場を取るための信頼は獲得しずらいのです。

実は、それらの問題が日本人の中で言語の問題以外に国際会議に主導的な立場を獲得しずらい意識が働くのではないか?と考えます。

私が今回議長をしている会議では、私よりも立場が上の人がごろごろ参加者として参加しているのですが、今では私は臆することなく、堂々と会議を仕切ることが出来る様になっています。

そこに達するまでは、やはり時間と経験が必要にはなると思いますが、是非とも多くの日本人にこうしたマルチの国際調整の場において主導的な立場を獲得してもらいたいと思っています。