今年の6月から8月のエルニーニョ予報

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6月に入って少しづつ熱い日も続く様になってきました。湿気も出てきて、そろそろ梅雨の季節の到来も感じられてきます。

今年はコロナで生活スタイルも変わらざるを得ない状況ですが、季節は相変わらず巡ってきますので、梅雨に伴う局地的な豪雨などにも気を付けて行かなければいけませんね。

今年の夏が暑いのか涼しいのか、台風が多いのか少ないのか、などの大まかな季節的な傾向を知るのにエルニーニョが起こるのかどうかがあります。

ご存知の方も多いと思いますが、エルニーニョとは、太平洋の東寄りの熱帯域(南米ペルー沖合)の海面水温が平年に比べて高温になることです。高温になると様々な平年とは違う影響が世界各地に現れてきます。一般的に、エルニーニョになると、日本は夏は冷夏、冬は暖冬になる傾向があります。

ラニーニャとは、逆に太平洋の東寄りの熱帯域の海面水温が平年に比べて低温になることです。太平洋西側は高温となります。一般的に、ラニーニャになると、日本は夏は猛暑、冬は厳冬になる傾向があります。

太平洋の赤道付近の海面の水温や高度、そして大気の循環は密接に関係しています。平年の状態では、海面水温はインドネシア付近の太平洋の西側が暖かく、ペルー沖合の東側は海の深層からの湧昇により低くなります。

このため、インドネシア付近では暖水により雨雲が多く発生し上昇気流が発生し低気圧を形成し、逆に東のペルー沖は冷たい海面のために下降気流が起きて高気圧となります。このため太平洋の赤道付近では大きな流れとして上空は西風、海面付近は東風の流れになります。この東と西のシーソーの様な差を南方振動と言います。

しかし、何かしらそのバランスが崩れると、海面水温や風の強さに差が出てきます。これが平年とは違う偏差としてのエルニーニョとラニーニャの発生になります。南方振動とエルニーニョによる海面水温と風や気圧などの平年からの偏差の発生を見るために、エルニーニョ南方振動(ENSO)という言葉が良く使われます。

参考1:気象庁のエルニーニョ・ラニーニャの解説

参考2:エルニーニョ発生時の日本の天候の特徴

さて、今年の予報を世界気象機関(WMO)が5月25日に発表しました。それによると、今年の6月から8月にかけてのエルニーニョの発生状況などについて、以下の解析結果となっています。

太平洋の熱帯地域は2019年7月からエルニーニョ現象はなっていない

2019年10月から2020年4月までの海面水温は若干平年値よりも高かったが、5月以降は平年並みに戻った。

モデル予測と専門家の意見によれば、2020年7月から8月にかけてENSOが起こらずに済む確率は60%程度とのこと。

ラニーニャの起こる確率は30%程度とのこと。

エルニーニョの起こる確率は総じて10%程度とのこと。

これを見ると、今年は平年の状況で収まりそうということが予想されます。日本は猛暑でも冷夏でもなく平年並みになりそう、という大まかな予想が立てられます。

参考3:気象庁のエルニーニョ予報

普段私たちは天気予報で3日程度先の天気を気にしますが、今年の夏が暑くなるのか、冬が寒くなるのかは、あまり気にしません。

しかし、段々と気候変動の影響が大きくなってくると今年の夏はどうなるのだろう?という心配が早くから頭をもたげてくると思います。

そして、今年は特にコロナの影響で夏の過ごし方も考えていかないといけません。また、災害の多い日本は6月からは洪水のシーズンです。気候変動でもはやこれまでの常識を覆す大雨や洪水、土砂災害は毎年の様に発生しています。

我々一般人は、こうしたいつわが身に降りかかるとも限らない災害に対してどのように備えればよいのでしょうか?

やはり、それは先を見据えた可能な限りの対処を行っていく事ではないでしょうか?そして、そのためには情報とデータが必要です。日々の天気予報はもちろんのこと、こうした長期的なデータの一般人レベルでの活用もこれからは必要になってくると思われます。

そして、そのためには必要なデータや情報を使いやすい形で、様々な媒体で公開していく取り組みが重要になってきます。

しかしながら、日本は意外にもそうしたデータや情報を扱う仕事に昔から不得意なのです。欧米はもちろん先んじていますが、韓国や台湾などは情報やサービスのIT化は日本よりも進んでいます。

データや情報を公開するためにはポリシーを変える必要があります。ポリシーを変えるためには制度を変えなくてはいけません。この制度を変えるという調整が日本は時間がかかるのです。

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