環境白書とGCPからの報告

2020年版の環境白書が閣議決定されました。2020年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」が正式な名称です。

概要版:2020年版「環境・循環型社会・生物多様性白書」

一言で言うと、地球温暖化の影響と考えられる災害が深刻化している現状を「気候変動」から「気候危機」と言い直しており、対策を強化するよう呼びかけています。

特に2019年は、国内では豪雨や猛暑、房総半島台風、東日本台風など、海外では欧州の記録的な熱波、北米のハリケーン災害、豪の広範囲の森林火災、インドやミャンマー等の洪水災害がニュースでも大きく取り上げられていました。

直近20年間の気候関連の災害による被害額は、合計2兆2450億ドルとなっており、その前の20年間に比べ2.5倍になっているという状況です。

一方で、コロナの感染防止策として広がったテレワークやウェブ会議の有効性が示されたことによって、CO2排出削減や働き方の改革等につながるもので、今後も強靭な経済活動につながる様に継続すべき、と提言されています。

そのコロナの感染防止策で世界的なロックダウンにより、人間活動が停滞したことにより人為起源の温室効果ガスの排出がどの程度減ったかについて、国際的な温室効果ガスの研究のコミュニティであるGCP(Global  Carbon Project)が報告を出しています。

コロナ自粛中の世界のCO2排出量の一時的な削減

以下の要約となります。

2019年の平均に比べて、2020年4月はグローバルの日々平均で約17%減少(その半分弱は地上交通による)

©Le Quéré et al. Nature Center Change (2020), Global Carbon Project

計算方式は、世界の約97%の排出量となる69か国に対して行っており、独自の定義に基づく自粛のレベル0~3に応じたCO2の変動量を上の図にもある6つの経済活動のセクター(居住、公共、航空、エネルギー、産業、地上交通)に分けて計算しています。

上記の図、1月下旬から始まった自粛活動により、各経済セクターのCO2削減が増えていきました。3月上旬近辺で一時的に削減量が減っていますが、これは中国が自粛を緩和し始めたからです。

その後、3月中旬以降には世界的に自粛が広まり、4月上旬に最大ピークとなる17%まで削減となりました。居住セクターはテレワークなどでCO2排出が増えていますが微々たるものです。その他のセクターは削減していて、最も多いのは地上交通の排出削減でした。

©Le Quéré et al. Nature Center Change (2020), Global Carbon Project

上の図は、自粛レベル1-3の時間変化によるCO2排出量の変化がわかります。1月下旬から中国を中心に始まった自粛は、3月上旬で緩和されましたが、3月中旬以降は世界的に広がり、そのレベルも厳しくなったことがわかります。

今後の事ですが、2020年のCO2排出量がどのような変化となるかは、自粛のレベルとその期間によるとされています。シミュレーションでは、大まかに6月中旬まで自粛が続く場合には2019年に比べて約4%程度の減、2020年末までレベル1の自粛が続く場合には、約7%程度の減となるであろうと予測しています。

また、今回の前例のない世界的な自粛によって得られたCO2の削減は非常に大きいもので、2006年の排出レベルに匹敵するものでした。しかし、それ以降の約14年間の排出の増加は非常に大きなものであり、パリ協定の実現に向けた削減の達成にはまだまだ足りないとのことです。

今後の自粛と生活スタイルの変化により、どのようにCO2削減が変化していくのか、観測モニタとデータ分析は重要であり科学的に十分精査された助言が重要になっていくと思いました。

また、テレワークでのCO2増加は微々たることは予想できましたが、そうなると仕事と生活のスタイルも大きく見直した方が良いかもしれませんね。

オフィスを省力化していき、都市部への通勤を減らして、エネルギー効率的に最適な社会環境を実現していくのは、次の社会環境の変革に必要な政策になっていくと強く思いました。

みんなが東京に集まる必要はもうなくなってきているので、テレワークで可能な仕事であれば、田舎で農業をしながらでも出来る社会を作るべきなのでしょう。特に、それは人口減の激しい日本で兼業も踏まえた生産性の向上を戦略的に進める必要があると思います。

多分、それは政策提言していくと同時に、個人がそれぞれ動いていくべきことなのだと思います。私も今後は極力テレワークで仕事をする方向で検討しています。そして、そこで出来た余裕の時間を他の仕事や社会貢献に振り分けていく事を考えています。

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今年の6月から8月のエルニーニョ予報

6月に入って少しづつ熱い日も続く様になってきました。湿気も出てきて、そろそろ梅雨の季節の到来も感じられてきます。

今年はコロナで生活スタイルも変わらざるを得ない状況ですが、季節は相変わらず巡ってきますので、梅雨に伴う局地的な豪雨などにも気を付けて行かなければいけませんね。

今年の夏が暑いのか涼しいのか、台風が多いのか少ないのか、などの大まかな季節的な傾向を知るのにエルニーニョが起こるのかどうかがあります。

ご存知の方も多いと思いますが、エルニーニョとは、太平洋の東寄りの熱帯域(南米ペルー沖合)の海面水温が平年に比べて高温になることです。高温になると様々な平年とは違う影響が世界各地に現れてきます。一般的に、エルニーニョになると、日本は夏は冷夏、冬は暖冬になる傾向があります。

ラニーニャとは、逆に太平洋の東寄りの熱帯域の海面水温が平年に比べて低温になることです。太平洋西側は高温となります。一般的に、ラニーニャになると、日本は夏は猛暑、冬は厳冬になる傾向があります。

太平洋の赤道付近の海面の水温や高度、そして大気の循環は密接に関係しています。平年の状態では、海面水温はインドネシア付近の太平洋の西側が暖かく、ペルー沖合の東側は海の深層からの湧昇により低くなります。

このため、インドネシア付近では暖水により雨雲が多く発生し上昇気流が発生し低気圧を形成し、逆に東のペルー沖は冷たい海面のために下降気流が起きて高気圧となります。このため太平洋の赤道付近では大きな流れとして上空は西風、海面付近は東風の流れになります。この東と西のシーソーの様な差を南方振動と言います。

しかし、何かしらそのバランスが崩れると、海面水温や風の強さに差が出てきます。これが平年とは違う偏差としてのエルニーニョとラニーニャの発生になります。南方振動とエルニーニョによる海面水温と風や気圧などの平年からの偏差の発生を見るために、エルニーニョ南方振動(ENSO)という言葉が良く使われます。

参考1:気象庁のエルニーニョ・ラニーニャの解説

参考2:エルニーニョ発生時の日本の天候の特徴

さて、今年の予報を世界気象機関(WMO)が5月25日に発表しました。それによると、今年の6月から8月にかけてのエルニーニョの発生状況などについて、以下の解析結果となっています。

太平洋の熱帯地域は2019年7月からエルニーニョ現象はなっていない

2019年10月から2020年4月までの海面水温は若干平年値よりも高かったが、5月以降は平年並みに戻った。

モデル予測と専門家の意見によれば、2020年7月から8月にかけてENSOが起こらずに済む確率は60%程度とのこと。

ラニーニャの起こる確率は30%程度とのこと。

エルニーニョの起こる確率は総じて10%程度とのこと。

これを見ると、今年は平年の状況で収まりそうということが予想されます。日本は猛暑でも冷夏でもなく平年並みになりそう、という大まかな予想が立てられます。

参考3:気象庁のエルニーニョ予報

普段私たちは天気予報で3日程度先の天気を気にしますが、今年の夏が暑くなるのか、冬が寒くなるのかは、あまり気にしません。

しかし、段々と気候変動の影響が大きくなってくると今年の夏はどうなるのだろう?という心配が早くから頭をもたげてくると思います。

そして、今年は特にコロナの影響で夏の過ごし方も考えていかないといけません。また、災害の多い日本は6月からは洪水のシーズンです。気候変動でもはやこれまでの常識を覆す大雨や洪水、土砂災害は毎年の様に発生しています。

我々一般人は、こうしたいつわが身に降りかかるとも限らない災害に対してどのように備えればよいのでしょうか?

やはり、それは先を見据えた可能な限りの対処を行っていく事ではないでしょうか?そして、そのためには情報とデータが必要です。日々の天気予報はもちろんのこと、こうした長期的なデータの一般人レベルでの活用もこれからは必要になってくると思われます。

そして、そのためには必要なデータや情報を使いやすい形で、様々な媒体で公開していく取り組みが重要になってきます。

しかしながら、日本は意外にもそうしたデータや情報を扱う仕事に昔から不得意なのです。欧米はもちろん先んじていますが、韓国や台湾などは情報やサービスのIT化は日本よりも進んでいます。

データや情報を公開するためにはポリシーを変える必要があります。ポリシーを変えるためには制度を変えなくてはいけません。この制度を変えるという調整が日本は時間がかかるのです。

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米国初の民間有人宇宙飛行に成功!

ついにイーロンマスクのSpaceX社は人類初の民間による有人宇宙飛行(ロケット打ち上げと宇宙ステーションへのドッキング)に成功しましたね!

民間の打ち上げというだけあって、さすがに宇宙服のデザインから宇宙船の船内のディスプレイや宇宙船そのものもシンプルで機能的で、管制室もむさくるしくない明るい感じで、まるでSFの映画のようですね!

しかも、打ち上げたロケットの本体は再利用のために、地球に戻ってきて着陸します!イーロンマスクのやりたいことが詰まった新しい宇宙開発の予感が一杯詰まっていますね!

その後のISS(国際宇宙ステーション)へのドッキングのビデオはこちらで!

ドッキングして二人のアメリカ人宇宙飛行士をISSに送り込んでから、宇宙船ドラゴンはISSから切り離されて、大気圏に突入しパラシュートで海上に着水しました。

これだけの成果をなんと1,2日で成し遂げてしまったアメリカ。さすがの技術力としか言いようがないですね。NASAの強力な後押しがあったとは言え、SpaceXの見事な実力でしょう。

これからの宇宙利用が加速して進んでいく予感がします。先日ちょうどnetflixで「マーズ火星移住計画」という映画を見ました。2033年の近未来では人類初の火星移住計画を遂行する物語が描かれています。

面白いのは、2033年の舞台ではあるのですが、同時に2016年の現代の宇宙開発や地球環境問題の現実もナレーションで関連付けている事です。ここにもイーロンマスクが出てきて、火星移住への熱い夢を語ります。

今回の民間有人飛行の成功と火星移住物語は、近い将来の人類の宇宙への進出の方向性をある程度見通せるようになってきた様に私は感じました。

私は、宇宙開発をSDGsに含めてもいいのでは?と考えています。SDGsは2030年までなので、おそらくその次に国連が定めるネクストSDGsである人類共通の目標に対していれるべきだと思います。

皆さんはどう思われますか?

 

マーズ火星移住計画

イーロンマスク未来を創る男

 

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テレワークを2か月続けて

6月に入り徐々に社会が動きだしてきた感覚があります。自粛生活もようやく終息を迎えそうな状況になりつつありますね。

第2波が来るのが心配ですが、それでもコロナを正しく注意しながらも人間社会は動かしていかなければなりません。

私は3月末から自宅でテレワークに入り、今日でおよそ2か月となりました。

職種がデスクワークで研究開発の調整業務なので、会議や海外出張が主な仕事の内容になりますから、テレワークで済めば実行できる内容になります。

これまでの2か月間で、いくつか気付いた事をここに記しておきたいと思います。

仕事で気付いたこと

部下や同僚のコミュニケーションが深まった

毎日オフィスで顔を合わせられないので、私の部署では毎日テレビ会議で朝会を1時間弱行って、連絡事項や各自の仕事で共有しておくべきことを連絡し合う習慣をつけました。

これは自粛前の通常の仕事では1週間に一回程度しか行っていませんでした。やはり毎日実施すると各自の仕事の内容や進み具合などが良くわかるようになります。

残業が少なくなった

当然ですが自粛期間はBCP(事業継続計画)に従って、最低限実施しなければならない業務だけが行われる原則です。不急の業務はしなくてよい事になります。

残業は確かに少なくなりました。全員がテレワークに入った4月の最初の頃は、皆戸惑いながらでした。

しかし、1か月もするとTeamsやSkype、WebEx、Gotomeeting、Zoomなどの複数のリモート会議システムを使いこなして、皆が普通に仕事が出来るようになってきました。

私の部署は特に海外との調整が多いので、夜のテレコンが多くなります。しかし、オフィスにいない分、自宅でテレコンが出来るので夕食をとって休憩した分は残業に入れないため残業も少なくなり大変効率的です。

一点、難があるのは自宅で仕事していると、どうしても打ち合わせの話をする時の自分や他人の声が家族の迷惑になります。日本の小さい家屋は壁を通しでも声が聞こえてしまいますので、私の様に受験生を持つ家族は大変です。これからは、オフィスは縮小して自宅を拡張する方向になるといいですね。

時間管理をきめ細かくするようになった

上の残業にも関連しますが、一人で仕事しているので、オフィスにいるよりも自分で自分を管理しようとするようになりました。オフィスですと周囲から声を掛けられるとそれに流されて、すぐに自分のペースが崩れます。

しかし、自宅ですと電話がかかってこない限りは自分のペースで仕事ができます。そのためより自分の時間をきめ細かく管理するようになりました。オフィスでの無駄話がなくなった、ということにもなるわけです。無駄話がないと精神衛生上よくないという事もあるかと思いますが私は歓迎です。

「無駄話」というからいけないのであって、無駄ではなく意味のあるものにするために、例えば「コーヒーブレイク」などと称してみるのはいかがでしょうか?仕事は前向きに進めたいものですね。

打合せを短時間で済ませようとするようになった

リモート会議ではだらだらと長く会議を行う習慣は確実に減りますね。ポイントだけ抑えて進む方向を合意して、あとは各自が各自の業務を行い進捗を管理する。あれこれ言い合わない(言ってもしょうがないリモート環境?)のがリモート会議の良いところです。

揉めそうな案件は明らかに別な手段で解決した方が良いです。リモート会議でやるべきではありません。

生活で気付いたこと

太った

私は食べることが好きなので、明らかに家から出ていかないので3食規則正しくとって、さらに間食もするようになるとそりゃ太りますよね。2-3キロは太ったかもしれません。

犬との散歩も増えまして、朝昼晩と行くときもありますが、それでも運動不足を解消するほどではないかもしれません。仕事の時には結構ずっと座ったままですからね。

最近は、仕事中もバランスボールを使うようにしています。椅子に座ったままよりは腹筋が鍛えられて背筋も正しく伸ばされます。呼吸法も忘れず実践しています。

家事をするようになった

ずっと家にいると家族の一員としての行動も実践しなくてはいけません。掃除・洗濯・炊事・片付けに積極的に参加するようになりますよね?

しかし、注意しなくてはいけないのは、あなたが家事の新規参入者であれば、実践する際にはきちんと奥様の意向に沿うように実践することです。そうでないと確実に迷惑となり余計なストレスとなります。私はこれで何度も怒られてしまいました・・・

家族との関係が良くなった

家族との時間が多くなる分、色々な話し合いやケンカもします。そして、それを経てコミュニケーションが増えていき新たな家族関係を築く事ができます。

この事は日本のホワイトカラーの生活習慣に変革が起こると私は思っています。家族を大切にする気持ちや身近な身の回りの大切さを改めて実感する良い機会ですね。

趣味をする時間が増えた

仕事が定時に終わって、夕食も食べたらその後の時間は何に使いますか?家族との時間もいいですし、自分の趣味のための時間もいいですね。

私は時間があれば自分の勉強や副業に充てるようにしています。焦らずじっくりとゆっくりとやって長続き出来る様になればいいですね。


私の会社は6月1日以降も原則テレワークを推奨しており、どうしても出社してすべき業務の際には出社可能というスタンスを取っています。また、越県出勤は原則見合わせです。ですので、私は暫くまだテレワークとなります。これを機に完全に自粛が解けた場合でも、テレワークを週に何回か取り入れたいと思っています。

現場に出ていかなくてはいけない職種の皆さんは大変なご苦労が多いかと思います。私は恵まれた環境にいることを実感し感謝しながら仕事をすべきであることも、このテレワークで実感しました。

これから先また社会がどのように変わっていくかわかりませんが、柔軟に考えて乗り越えていきたいと思います。

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